平屋が暑いのは本当?暮らしやすさを追求するための鍵を紹介
公開:2024.06.27 更新:2024.06.27埼玉で生活しやすい快適な平屋を建てるなら、暑さ対策が重要です。
平屋住宅は快適な暮らしを提供する一方で、夏場の室内の暑さが課題とされています。平屋が暑くなりやすい理由として挙げられるのは、屋根からの熱の影響や風通しが悪くなりやすいことなどです。この問題の解決には、効果的な断熱設計と風通しの改善が鍵となります。
目次
平屋が人気の理由!ならではの魅力がある
平屋の着工棟数は年々増加しており、ここ10年間で約2倍に増加しているといわれています。平屋住宅が増加している背景には、平屋ならではの魅力も影響しているのです。
◇平屋が若者に人気?
平屋は20代や30代の若いファミリー層から人気を得ています。平屋住宅が注目されている理由の1つは、コロナ禍でのステイホーム期間やリモートワークの増加により、家での過ごし方やマイホームの在り方を見直す機会が増えたことです。
特に都心部で働く人々は、リモートワークの普及により「郊外でもいい」「広い土地に平屋を建てたい」と考えるようになりました。最近では、家事のしやすさや家族間のコミュニケーションを重視し、コンパクトな平屋を建てるケースが埼玉でも増えています。
これは、少子化や核家族化が進んだ現代では、子供が巣立った後に夫婦2人で暮らすことが多くなったため、大きな住宅を建てるという願望が薄れてきたからだと考えられます。
◇平屋の魅力
平屋住宅の魅力は、階段がないため家事が効率よく行えるので時間の有効活用ができ、そして、家族とコミュニケーションが取りやすい設計が可能であることです。これが子育て世代にとって人気の理由です。
また、構造がシンプルで強固なため、耐震性や災害時の安全性が高く、メンテナンス費用も抑えられます。さらに、平屋は高齢者にとってもバリアフリーな生活ができるため、老後も安心して住めるのも、人気の理由です。
平屋の夏は暑い?考えられる原因は主に2つ
画像出典:フォトAC
ワンフロアで暮らせる平屋が注目されていますが、平屋は「夏場は室内が暑い」といわれやすいです。こちらでは、平屋が暑くなりやすい理由を紹介します。
◇熱が伝わりやすい
2階建てや3階建ての家では、上階が太陽光の熱を遮るため、1階部分に熱が伝わりにくくなっています。また、同じ延床面積の2階建て住宅と比べると、平屋の方が屋根の面積が広くなるため、より多くの太陽熱を受け、室内の温度が上昇しやすくなるのです。
さらに、地面からの照り返しも受けるため、平屋は上下から熱を受けるような構造になっていることも影響しています。
◇風通しが悪い場合がある
平屋は建物の高さが低いため、2階建てや3階建ての家に囲まれたり、隣家との距離が近かったりすると、風が通り抜けにくくなり、熱がこもりやすくなります。
また、平屋はすべての部屋がワンフロアに収まるため、延床面積が広く、間取りが複雑になると、家の中央部分の風通しが悪くなることもあるようです。
そのため、夏場に暑くならない平屋を建てるには、隣地条件を考慮し、風通しに配慮した間取りの設計が重要となります。
暑い夏を乗り切れる平屋は断熱性と間取りが鍵!
平屋は屋根からの影響を受けやすいため室内が暑くなりがちですが、しっかりと対策すれば快適に過ごせます。
◇断熱性に注目
断熱性を向上させるには、外壁と内側の間に断熱材を配置する「内断熱」と、建物全体を断熱材で覆う「外断熱」の2つの選択肢があります。日本では内断熱が一般的であり、比較的費用が抑えやすいです。
一方で、外断熱は断熱性能が高くなりますが、コストも高くなる傾向があります。平屋の場合、大きな窓を設けて採光を取り入れることが一般的ですが、窓が大きいとそのぶん太陽光の熱も入り込みやすくなります。そのため、遮熱性の高い窓を採用するとよいでしょう。
また、一般的な1枚ガラスでは、日射熱を90%近く室内に伝えてしまうため、室内の温度が上昇してしまいます。しかし、遮熱性が高い窓ガラスを使うと太陽熱の侵入を抑えられるため、暑さの軽減が期待できます。
◇風の通りやすい間取りにする
断熱性能が高い家は、空気の循環が悪くなりやすいです。そのため、通気性を改善するためには、間取りの工夫や換気システムを導入するとよいでしょう。
例えば、風が通りやすい場所に窓を設置したり、建物の形状を横長でシンプルにしたりするなど、風が自然に通るように工夫するのが効果的です。
通風のための開口部や壁などの配置にも注意し、風の通り道を塞がないように配慮しましょう。
暑さ対策をした平屋なら暮らしやすい住まいが実現
暑さ対策がしっかりとした平屋では、1年を通じて快適な暮らしが可能です。
◇どんな季節でも快適
優れた断熱性能を持つ平屋は室内の温度を一定に保つため、快適な住環境を提供してくれます。また、家全体の温度差を小さく抑えられるので、心臓や血管に大きな負担がかからず、ヒートショック対策にも効果的です。
近年の家には「24時間換気システム」が搭載されており、気密性が高いほど効率的に換気ができるので、シックハウス症候群のリスクが低減します。
高気密・高断熱の家は室内と外の温度差が小さいため、結露が発生しにくく、ダニやカビなどによる健康リスクも軽減できるのです。
◇さまざまなコスト削減と省エネ効果
高断熱の家は外気の侵入を防ぎ、室内の空気を逃さないため、冷暖房の効率が向上します。その結果、冷暖房の使用頻度が減り、省エネや電気代の節約につながるのです。
それに加えて、断熱性能を重視することにより、省エネ効果を高められます。断熱性能が高いことにより、外気と室内の温度差による熱の流出や流入が抑えられるため、冬は暖房なしで暖かく、夏は冷房なしで涼しく過ごすことが可能です。これにより、光熱費の節約が可能となります。
また、断熱性能が高い住宅は結露やカビの発生を防げるため、建物の劣化や修繕費用を抑えられるでしょう。高断熱の平屋に住むことで、建物の寿命を延ばしながら、健康的な住環境を維持できます。
平屋の人気が急上昇しています。特に若いファミリー層に支持されており、家事の効率性や家族間のコミュニケーションが取りやすい点が魅力です。また、地震や災害時の安全性やバリアフリーな設計も人気の理由とされています。
しかし、平屋は夏場に室内が暑くなる傾向があります。これは熱が伝わりやすく、風通しが悪いことによるものです。対策としては、断熱性の向上と風通しの良い間取りが重要です。良好な環境を維持するために、適切な対策が欠かせません。
暑さ対策をした平屋なら、どの季節でも快適に過ごせるだけでなく、さまざまなコストの削減も可能です。