坪単価の落とし穴!事前に理解しておくと後悔のない家づくりに
公開:2024.06.28 更新:2024.06.28埼玉で平屋を建てる際、坪単価は家を建てる際に重要な要素ですが、それだけを基準にしてしまうと後悔するかもしれません。
坪単価は1坪あたりの建築費を示し、施工内容や品質を把握するのに役立ちますが、計算方法によって大きく異なる場合があります。これらをきちんと把握しておかないと、予算オーバーや後々のトラブルの原因になりかねません。
坪単価を参考にしつつも、全体の費用や施工内容をしっかり確認することが、理想の家を建てるための第1歩です。
目次
坪単価は住宅会社を比較する際の判断基準になる
住宅を建てる際に「坪単価」という言葉を耳にする方も多いでしょう。
坪単価は1坪当たりの建築費を示す数字で、住宅会社を比較する際の判断基準になります。
◇坪単価の概要
「坪」とは、「尺貫法」と呼ばれる日本古来の面積単位です。坪単価とは、土地や建物の1坪(約3.3平方メートル)あたりの価格を指し、不動産業界では土地や建物の価格を評価する際に広く使用されています。
また、土地の坪単価は、総価格をその土地の面積で割ったものです。建物の本体価格を延床面積で割った数値で、例えば本体価格が2,400万円で延床面積が40坪の場合、坪単価は60万円となります。坪単価が高いほど施工費用がかかるため、施工内容のグレードがわかります。
◇坪単価の相場は?
国土交通省の2021年度「建築着工統計調査」によると、一戸建ての平均的な坪単価は約60万円です。木造一戸建ては60万円弱ですが、鉄骨造や鉄筋コンクリート造は坪単価が100万円を超えることもあります。
また、設備が多い2世帯住宅も坪単価が100万円近くになることが多いため、建てたい住宅の種類に応じて、坪単価の許容範囲を考えることが大切です。
出典元:国土交通省 建築着工統計調査
坪単価には落とし穴も?よくある失敗例!
画像出典:フォトAC
坪単価は建物や土地の価格を評価するための指標として用いられますが、いくつかの注意点もあります。坪単価だけを基準に施工会社を選んでしまうと、後々問題が起きる可能性があるのです。
◇坪単価の算出方法が会社によって異なる
同じ大きさの建物でも、施工会社によって坪単価は異なります。坪単価の計算方法には厳密なルールが存在しないため、ハウスメーカーによって違いがあるのです。
坪の算出方法として主に使用される計算基準には、「延床面積」と「施工床面積」の2種類があります。
延床面積は、ベランダ、小屋裏収納、地下室、玄関ポーチ、ウッドデッキなどのスペースを含みません。一方で、施工床面積はこれらのスペースも含まれるため、同じ建物であっても延床面積より広く計算されます。
したがって、坪単価は施工床面積を用いて算出した方が低くなる傾向にあるのです。
◇追加費用が掛かる可能性
坪単価は建物の本体価格の1部を示すものであり、実際に住宅を建てる際には他にも「別途工事費」と「諸経費」が加算されます。建築費用全体に占める本体価格の割合は一般的に約75%であり、残りの25%は坪単価には含まれません。
ハウスメーカーによって坪単価に含む内容は異なるため、比較する際には価格の内訳を詳細に調べることが重要です。
また、中には坪単価のみを安く見せ、オプションで追加費用が必要となる会社も存在します。予算をオーバーしてしまうことも少なくないため、坪単価をもとに施工会社を選ぶ場合は注意が必要です。
坪単価で後悔しないために知っておきたいポイント
坪単価は会社によって計算方法が異なるため、後悔しないためにも判断方法を知っておきましょう。
◇算出方法が同じ会社で比較
住宅メーカー間では坪単価の計算方法が異なるため、意識せずに会社を比較すると正確な情報が得られないかもしれません。そのため、坪単価の算出方法が同じである同じメーカー同士でのプランでの比較が大切です。
希望する同じ広さの家と比較すると、どのくらいの予算ならば自分の理想の家が建てられるかを確認する目安となります。ただし、同じ床面積の住宅でも、シンプルな平屋と外観や内観を複雑にした形状の住宅では、後者の方が必要な材料の数量が多く、手間もかかるため、建築本体工事費は高くなります。
また、内装材や外壁、設備機器のグレードが高くなる場合も同様に、建築本体工事費が増えれば、坪単価も自然に上昇するため、あくまでも参考程度にしておきましょう。
◇総額で判断する
住宅を建てる際には、本体価格に加えて地盤改良費や外構費、水道の引き込み工事費などの付帯工事、さらには印紙税や住宅ローンの借り入れ費用、不動産登記費用、仲介手数料などの諸経費がかかります。
家が完成した後も、外壁や屋根、内装のメンテナンス費用が必要で、予算を抑えて初期費用を節約する場合、将来的にメンテナンスの負担が増えるリスクも考慮しなければなりません。
注文住宅を建てる際には、本体価格だけでなく、付帯工事費や諸費用も考慮した施工会社選びが重要です。
坪単価を知っておくと家づくりがよりスムーズに!
坪単価は、さまざまな要因によって価格が変動しますが、坪単価と建てる土地の面積の坪数を掛けると、だいたいの建築費がわかるので、非常に便利です。埼玉でマイホームを建てる際には坪単価について知っておくと家づくりがスムーズになります。
◇建てる家のコスパを知れる
坪単価を知ることで、異なる物件の建築コストを客観的に比較できるため、同じ予算内でより良い条件の家を建てることが可能です。
例えば、2つの物件を比較した場合、Aの物件が2,000万円(30坪)であり、Bの物件が3,000万円(47坪)とします。この場合、Aの坪単価は約67万円、Bの坪単価は約64万円です。物件の価格だけを見るとAの方が安いですが、坪単価で比較するとBの方が低コストであることがわかります。
このように、坪単価を知っておくことで。コスパの良い家を建てるのに役立ちます。
◇資金計画が立てやすい
希望する住宅を建てるためには、どれだけの予算が必要かを推測しておく必要があります。坪単価を把握しておくことで、理想の家を建てるために必要な貯蓄額やローンの計画を立てやすいのです。
これにより、将来の財務状況を見直し、将来の生活に向けた資金計画もより具体的に進めることができるでしょう。
坪単価は住宅会社を比較する際の重要な基準です。この指標は1坪あたりの建築費を示し、土地や建物の価格評価に広く使用されます。坪単価の算出方法は主に2通りあり、用いる方法によって結果が異なります。
施工会社を選ぶ際には、会社ごとに坪単価の計算方法が異なることを理解し、算出方法が同じ会社で比較する必要があります。また、坪単価には建物の本体価格に加えて別途工事費や諸経費が含まれないことがあり、比較時にはこれらの費用を詳細に調査する必要があります。
建てたい住宅の種類に応じて、予算計画をしっかり立てることが、後悔しない家づくりの鍵です。